晴れの日より表情が綺麗だった。曇り空の公園で気づいた子供撮影の意外な魅力

家族で少し大きめの公園に出かけた、ある休日のことです。子供の今しか見られない表情を少しでも綺麗に残したくて、一眼レフを持って出かけました。

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最初は気持ちのいい青空が広がり、絶好のカメラ日和でした。私はいつものように、広い芝生の上を元気に走り回る子供の姿をファインダーで追いかけていました。

動きの速い子供をブレずに止めるため、設定はシャッタースピード重視の「Sモード」。準備万端で、お気に入りの写真を何枚も量産していました。

ところが、楽しい時間は長くは続きません。ふと気づくと空一面にどんよりとした雲が広がり、あっという間に辺りは薄暗い曇り空に変わってしまったのです。

「せっかくの公園なのに、ハズレの天気になっちゃったな……」とテンションを下げつつも、私は晴れていた時とまったく同じ設定のまま、なんとなくシャッターを切り続けました。

しかし、後から液晶画面を見返してハッとしました。そこに映っていたのは、晴天のときのみずみずしさが嘘のように消え去った、全体がグレーがかってどんよりと暗い写真ばかりです。

子供の表情もどこか沈んで見え、実際にその場で感じていた楽しそうな雰囲気まで消えてしまっていました。

この記事は、お出かけ先で太陽が隠れてしまい、「曇りの日は一眼レフでも綺麗な写真が残せない」と諦めかけているあなたへ向けて書いています。

実際に私自身も同じ失敗を経験しましたが、設定の考え方と構図を少し変えただけで、晴れの日より自然な表情を残せることに気づきました。

どんよりした天気にテンパってカメラをバッグに仕舞ってしまう前に、少しの設定の引き算と「空を入れない構図」を意識するだけで、晴れの日を遥かに凌ぐ優しい1枚を掴み取るコツをお話しします。

暗闇の経験を活かした「少し明るめ」の設定

後から写真を見返して分かったのですが、曇り空の下で写真が真っ暗になってしまったのは、雲のせいで太陽の光(光量)が圧倒的に足りなくなっているのに、晴れの日と同じ高速なシャッタースピードのままカメラが光を遮断してしまっていたからでした。

「これまでの夜景や水族館の経験を思い出せ。光が足りないなら、自分の手で光を補ってあげればいいんだ」

暗くなった写真を見つめながら、私は頭の中でダイヤルを整理しました。夜景や水族館でも、最初は暗いからといって焦るばかりで設定を触れずに失敗してきました。

しかし、その経験を通じて「光が足りないなら、シャッタースピード・F値・ISO感度のどこかで補うしかない」という基本だけは身についていました。これまでの失敗と経験を活かし、カメラをM(マニュアル)モードへと切り替えて、意図的に「少し明るめの設定」を作ってみることにしたのです。

まず、子供の動きを最低限止められる範囲で、シャッタースピードを晴れの日よりも「少し遅め」に落としました。本当はもっと遅くして光を稼ぎたかったのですが、走り回る子供がブレてしまうのも避けたかったからです。これで光を取り込む時間を長くします。

次に、背景を綺麗にボカして主役を引き立てるために「F値(絞り)」を限界まで小さく設定。最後に、それでも足りない光の感度を補うために、「ISO感度」を少しだけ大きめの数値へと引き上げました。画質の劣化も気になりましたが、真っ暗な写真になるよりはずっと良いと判断しました。

あれこれ難しく計算するのではなく、これまでの暗所撮影で学んだ基本をそのまま曇りの日に応用する。

正解かどうかは分かりませんでしたが、何も変えずに撮り続けるよりは試してみる価値があると思いました。そんな引き算のアプローチで、曇り空という壁に再び挑みました。

眩しい反射も影もない。滑り台の上で気づいた「柔らかい光」という奇跡

明るめの設定に変えた私は、公園の遊具で遊ぶ息子の姿に再びレンズを向けました。滑り台を勢いよく滑ってくるところや、滑り終わって満面の笑みを浮かべた瞬間を狙って、パシャリと試し撮りをしてみます。

その写真を液晶画面で確認した瞬間、私は自分の目を疑いました。最初に気づいたのは、いつもなら顔にできている帽子の影がほとんど見当たらないことでした。「ハズレの天気」だと思い込んでいた曇り空の下に、とんでもないシャッターチャンスが隠されていたことに気づいたからです。

太陽がギラギラと照りつける晴れの日だと、プラスチックや金属製の滑り台は光を強く反射してしまい、画面全体が眩しい逆光のようになって白飛びしがちでした。

実際、これまでの公園撮影でも「表情は良いのに顔だけ影で暗い」「滑り台が白く飛んでしまう」といった失敗を何度も繰り返していました。さらに、強い日差しのせいで、子供の帽子の影が顔にドス黒く落ちてしまったり、眩しさのあまり子供が目を細めてしまったりすることも多かったのです。

しかし、その時の写真を見比べてみると、曇りの日は空全体が巨大なソフトボックス(撮影用の照明機材)の役割を果たしてくれていたようでした。遮るもののない光はどこまでも均一で、全く眩しくありません。

少し明るめにセットしたカメラの画面に映し出されたのは、顔に嫌な影が一切なく、肌の質感が驚くほどなめらかに表現された息子の姿でした。

まるでスタジオでライトを当てたかのような、優しく柔らかい光に包まれた我が子の自然な笑顔が、そこには優しく切り取られていたのです。

晴れの日によく悩まされていた帽子の影や眩しそうな表情も見当たりません。「これは晴れの日よりも、むしろいい感じの写真なんじゃないか……」と、胸の奥が熱くなりました。

過去の自分へのアドバイス。暗い空は思い切って切り捨てるのが正解

もし、雲が広がってきた空を見上げて「もう帰ろうか」とカメラを片付けようとしていたあの日の自分に声をかけるなら、こう伝えます。

「曇りの日だからって、一眼レフは何も問題なく最高のパフォーマンスを発揮してくれるよ。実際に撮ってみて分かったのは、晴れの日に悩まされていた帽子の影や眩しそうな表情が消え、むしろ自然な笑顔を残しやすくなったことだった。

天気が悪くなったからと焦って適当に撮るのをやめて、基本に立ち返って少し明るめの設定をしてあげれば、晴れの日以上に表情が引き立つ温かい写真が撮れるんだ」と。

今回の経験で学んだことは大きく二つありました。一つは、曇り空になったら少し明るめの設定へ調整すること。もう一つは、暗い空を無理に写さず構図から引き算することです。

そして、曇りの日のポートレートをオシャレに仕上げるための最大のコツは、画面の中に「暗くて白い空を入れすぎないこと」です。

だからこそ、空は思い切って画面から削ぎ落とし、カメラの向きを下に向けて緑の芝生や遊具、そして被写体である子供の姿だけを画面いっぱいに配置する「引き算の構図」を意識すること。

実際に私も、最初は曇り空ごと広く公園を写していましたが、途中から滑り台や芝生を背景にして子供の表情だけを狙う構図へ切り替えました。これだけで、天気の悪さを一切感じさせない一枚に変わったのです。

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少し明るめの設定と構図を自分で調整したからこそ出会えた、しっとりとした空気感のある一枚。曇り空を完全に味方につけた満足感に浸りながら、夕暮れ時の少し静かになった公園で、大切な思い出が詰まったカメラを優しくバッグに収めて帰路につきました。

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