望遠レンズで挑んだ息子の50m走。ゴール直前のフレームアウトで学んだ運動会撮影の現実

子供の運動会は、我が子の成長を写真に残せる貴重な機会です。しかしカメラ初心者にとっては、出番が一瞬しかないうえに撮り直しもできず、失敗へのプレッシャーが大きいイベントでもあります。

まだカメラの扱いに不慣れだった私は、失敗を少しでも減らそうと考えました。息子の出番は50m走の数秒間だけ。撮り直しはできないため、運動会の一週間前から撮影場所やカメラ設定を事前に決めて準備を進めていました。

ターゲットは、息子が出場する50m走。カメラの撮影ポジションは一番前をキープ。息子が何レーンを走るかも事前にしっかりと把握しました。カメラの設定も、激しい動きを確実に止めるためのシャッタースピード重視の「Sモード」にセット。準備はこれ以上ないほど万端でした。

しかし、いざ息子の番が来て、連写モードで夢中でシャッターを切り始めたとき、信じられない大失敗が起きてしまったのです。

この記事では、望遠レンズとSモードで万全の準備をして臨んだにもかかわらず、ゴール直前で息子をフレームアウトさせてしまった私の失敗談を紹介します。その経験から気づいた、運動会撮影で大切だった準備と限界についてお話しします。

関連)ゴール付近のわが子が全然大きく撮れない。運動会で望遠レンズが必須だと悟った日

望遠レンズで挑んだ50m走。ゴール直前のフレームアウト失敗

運動会に向けて、私は一つ大きな準備をしていました。前々回までの撮影の教訓から、カメラに最初から付いていたキットレンズでは「走る子供までの距離が遠すぎて、小さくしか写らない」という限界を痛感していたため、思い切って望遠レンズを購入したのです。

しかし、いざ広いグラウンドを前にすると、新しい望遠レンズを使ってもまだ距離が足りないように感じました。息子の全身はしっかり写るものの、表情の変化までは分かりません。

「もっと近くで、もっと迫力のある姿を撮りたい」と、焦りながらグラウンドの周りでより近づける場所を探しましたが、当然そんな都合のいい特等席はどこにもありませんでした。

仕方がなく、あらかじめ決めていた最前列のポジションから、息子のスタートに合わせてファインダーを覗き込みました。

動きがとにかく速い運動会で、絶対にブレさせないための私の設定は、シャッタースピードを「1/1000秒」という圧倒的な速さに固定すること。以前の撮影で子供の動きがブレてしまった経験があったため、今回はまず被写体ブレを防ぐことを最優先に考えました。

F値やISO感度は、目まぐるしく変わる太陽の光に合わせてカメラ任せにしました。あとは躍動感のある瞬間を切り取るために、連写モードで一気に畳みかける作戦です。

スタートのピストルが鳴り、息子が猛烈に走り出しました。ファインダーの中で、必死に、一生懸命に走る力強い息子の姿。中盤までは完璧に捉えられていました。連写のシャッター音が心地よく響きます。

ところが、ゴールが目前に迫ったその一瞬、緊張と興奮で私の手がほんのわずかにブレてしまったのです。

あっと思った瞬間には、ファインダーのフレームから息子の姿が完全に消えていました。慌ててカメラを左右に振りながら探しましたが、望遠レンズの狭い視野ではなかなか見つかりません。

ようやく姿を捉え直したときには、息子はすでにゴール線の目前まで来ていました。焦って切った最後のシャッターに写っていたのは、顔が完全にフレームアウトして切れてしまい、胸元とゴールテープだけが不自然に残った悲しい写真でした。

一番肝心な、ゴールした瞬間の息子の表情がどこにもない。競技が終わった直後、その場で撮影データを確認しましたが、残っていたのはゴール直前までの連写と顔が切れた最後の一枚だけでした。

運動会では撮り直しができないだけに、その瞬間に失敗を確信したときの悔しさは強く印象に残っています。

ゴールは逃したが残っていた。一眼レフで撮れた息子の走る姿

ゴール直前の大失敗に頭を抱えましたが、家に帰ってパソコンの大きな画面にデータを移してみると、中盤までに撮影できていた連写の中に、息子の表情や走る姿がしっかり残っている写真が何枚も見つかりました。

そこには、スマートフォンのデジタルズームでは捉えきれなかった、走る息子の表情や体の動きがはっきりと写っていました。一眼レフだからこそ切り取れた躍動感が、その写真には残されていたのです。

必死になって前を見据える息子の真剣な眼差し、歯を食いしばって激しく腕を振る瞬間、蹴り上げられたグラウンドの砂埃。1/1000秒という超高速シャッターで時間を止めたからこそ残せた、頑張って走る力強い息子の姿が、何枚ものシャープな写真としてそこに収まっていました。

特に腕を大きく振りながら走る一枚は、自分が運動会の現場で見ていた印象以上に力強く写っており、思わず何度も拡大して見返しました。

写真を拡大して見ても表情や砂埃の細かな描写が崩れず、その場の緊張感まで伝わってくるように感じました。走る瞬間の姿勢や表情の変化まで確認できたことで、運動会当日の空気感を思い出せたのです。

最後は顔が切れてしまうという大失態を演じましたが、それでもこの一眼レフでしか残せなかった息子の一生懸命な姿を何度も見返しているうちに、悔しさの半分は大きな嬉しさへと変わっていきました。

過去の自分へのアドバイス。準備を万端にしたら、あとは「物理的な安定」に頼ろう

今回の運動会で最も強く感じたのは、撮影設定だけでは失敗を防げないということです。もし、ゴールテープの手前でフレームアウトしてテンパっていたあの日の自分に声をかけるなら、こう伝えます。

「その場で瞬時に動くものを追いかけるのは、初心者には想像以上に難しいよ。撮影場所や設定を事前に決めておくことは大切だけれど、それだけで失敗を防げるわけではない。運動会では撮影技術だけでなく、最後まで安定して構え続けられる環境づくりも同じくらい重要なんだ」と。

運動会の一発勝負で無駄な失敗を減らすためには、自分の「腕の力」や「集中力」だけを過信しないことが大切です。

私自身はこのとき三脚や一脚を使っていませんでしたが、ゴール直前でフレームアウトした経験から、カメラを安定させる手段を準備しておけばよかったと感じています。少なくとも私の失敗は、設定よりも構え続ける安定性の問題が大きかったからです。

悔しさは残りましたが、撮り逃した一枚ばかりに目を向けるのではなく、残せた写真にも価値があることを実感した運動会でした。そして何より、撮影設定を学ぶことと同じくらい、最後まで安定して撮り続けられる準備が大切だということを身をもって学びました。

関連)晴れの日より表情が綺麗だった。曇り空の公園で気づいた子供撮影の意外な魅力

コメント

タイトルとURLをコピーしました