夜空に浮かぶ満月や三日月を見て、「一眼カメラならクレーターまではっきり写せるはず」と思ったことはありませんか。
私もそんな期待を胸に月の撮影へ挑戦しましたが、最初は何枚撮っても月は真っ白な光の球になるばかりで、期待していたクレーターはまったく写りませんでした。
そこで、月を夜景のように明るく撮るのではなく、明るい被写体として露出を見直し、初めてMF(マニュアルフォーカス)も使ってみました。すると、白飛びしていた月にクレーターの陰影まで残せるようになったのです。
この記事では、私が月撮影で失敗した体験をもとに、
- 月が白飛びしてしまう原因
- クレーターを写すために見直したカメラ設定
- AFではなくMFでピントを合わせた理由
について紹介します。
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オート撮影で月が白飛びする理由と設定の見直し
月を初めて撮影したとき、私は何も考えずに夜空へ向けてシャッターを切りました。
しかし、液晶画面に映っていたのは、月の模様がまったく見えない「真っ白な光の球」。夜空もグレーに変色し、ディテールは完全に消えていました。
なぜ普通に撮っただけなのに綺麗に写らないのか。 「一眼カメラなら勝手に綺麗に撮ってくれるはず」と思っていた私は、ベランダでしばらく首を傾げてしまいました。
原因は、カメラのオート機能が “夜だから全体を明るく補正しよう” と判断してしまうことにあります。
実際の月は、夜空に浮かんでいても 太陽光を強く反射する非常に明るい被写体。 暗い背景に引っ張られて露出が上がりすぎることで、白飛びが起きてしまうのです。
「月は夜景の撮り方では写らない」 と気づいた私は、参考にしているインスタグラムの月撮影設定を確認し、カメラをM(マニュアル)モードに切り替えました。
使用したのは望遠レンズSEL70350G(E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS)です。F値はF8前後、ISO感度は100〜400、シャッタースピードは1/200〜1/500秒を参考にしながら設定しました。
夜空を撮るのに昼間のような数値で本当に大丈夫なのか半信半疑でしたが、
この「引き算の露出」が、月の模様をしっかり写すための基準になります。
月撮影でAFが迷子になる理由と初めてのMF切り替え
設定を終えた私に、もう一つの新しい挑戦が待っていました。それは、これまですべてカメラ任せにしてきたオートフォーカス(AF)をやめ、自分の手でレンズのリングを回してピントを合わせる「MF(マニュアルフォーカス)」への切り替えです。
実際に月へAFを合わせようとすると、真っ暗な夜空の中で月をうまく捉えられず、ピントが迷子になって「ウィーン、ウィーン」と空回りすることがありました。
月そのものは明るくても、私が撮影したときは周囲が真っ暗な夜空だったため、AFだけでは思うようにピントを合わせられませんでした。
そこで今回は、AFに任せ続けるのではなく、自分でピントを合わせてみようとMFに切り替えることにしました。
レンズ側面のスイッチを「MF」に切り替え、ファインダーを覗きながら月を捉えます。続いてピントリングを指先でゆっくり回していきました。
回すにつれて、それまで白い光の塊だった月の輪郭が少しずつシャープになっていきます。「ここだ」と感じるところまでピントリングを微調整した瞬間、ファインダー越しに月の表面の凹凸やクレーターの陰影がはっきり見えるようになり、思わず息をのみました。
手ブレ対策で月撮影に成功。三脚なしでクレーターを写した1枚
参考にしているインスタでは、月の撮影には「三脚があればベスト」と書かれていましたが、我が家には三脚がありません。手持ちでの撮影だったので、少しでもブレを抑えられるよう、左右の手でカメラをしっかり支え、脇を締めて構えました。
そして、息を止めるようにして、静かにシャッターボタンを押しました。パシャリ。静かな夜のベランダに、小気味いいシャッター音が響きます。
撮影した写真を拡大して見返したとき、私は言葉を失うほどの感動に包まれました。「月って、本当にこんなに綺麗で、こんな模様をしていたんだ……!」
そこに映っていたのは、ただの白い球ではなく、クレーターの陰影まで写った本物の月でした。望遠で月を捉えた写真には、表面の凹凸やクレーターの影が思った以上にはっきり写っていました。
これまで白飛びばかりだった自分の写真とはまったく違い、細かな模様まで確認できた瞬間、思わず画面を凝視してしまいました。設定を調整し、ピントを丁寧に合わせた結果がそのまま形になったことに、静かに興奮しました。
「撮らされている」感覚ではなく、自分で露出を決め、MFでピントを合わせた結果としてクレーターが写ったことで、初めて『自分で撮れた』という実感が湧きました。
これまではカメラに任せてシャッターを切るだけでしたが、今回は撮る前に自分で考えたことが、そのまま写真の違いとして現れたのが印象に残っています。
まとめ
今回の経験から学んだポイントは次の3つです。
- 月は夜景ではなく明るい被写体として露出を考える
- AFが迷ったら、MFでじっくりピントを合わせる
- 月は何度でも撮り直せるので、焦らず設定を試してみる
最初は白い光の塊だった月が、少し設定を変えるだけで表情を見せてくれたことに驚きました。一眼カメラは、ただ綺麗な写真を撮るだけではなく、自分で考えて撮る過程も楽しめるものだと感じた撮影でした。
これからも身近な被写体の中にある新しい発見を、写真に残していきたいと思います。


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